「天の意志、神の声」

 

 

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【シリーズ沖縄戦】76年前の今日
1945年4月3日『日米両軍の作戦変更』
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日本の天皇制は今も日本の政治や社会、企業や家庭にまで、宗教的なまでの無問答の権力システムを持ち込む。
 
不条理であるだけではなく、極めて非実践的なものであり、日本のブレーキ不在、責任不在の最終要因である。
 
76年前の今日、
天皇が「現地軍は何故攻撃に出ぬか、兵力足らざれば逆上陸もやってはどうか」と「多大なる御宸念」で、(実際に記録されたのは4日だが)
かくして現場は七転八倒しながら、4月7日の問答不要の嘉手納・読谷奪回の逆上陸を計画する
 
天皇はまたそれ以前の3月30日「総攻撃は航空部隊だけか。海軍にはもう艦がないのか。海上部隊はないのか」と意見した。
 
それがあの4月7日の大和艦隊をつかった読谷への逆上陸計画につながる。
この「天の声」で4月7日の無謀な二つの逆上陸が計画された。

 

http://www.archives.pref.okinawa.jp/USA/117198.jpg

42歳くらいの教師と農業に従事する14歳の少年が尋問のために連れてこられた。教師は捕虜になるより銃殺を望み、少年はこれに反論しなかった。(1945年4月3日撮影)

An Okinawan teacher about 42, and a farm boy 14, are brought in for questioning. The old man wanted to be shot rather than be taken. The boy didn't object.

写真が語る沖縄 詳細 – 沖縄県公文書館

 

 

 

 

 

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【シリーズ沖縄戦】74年前の今日
1945年4月3日『日米両軍の作戦変更』
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2019年4月1日、

 

官房長官が新しい日本の元号「令和」を発表し、

メディアがこれを一斉に報じた。

 

元号に使われた「令」の文字は、大きな傘の下で人がひざまずいている象形を由来とし、そこから「神のお告げや、君主・役所・上位者のいいつけ」(漢字源) を表す。

 

 

1945年の今日、

日米両軍が作戦を変更した。

 

米軍は、「勝つ」ために入念におびただしい情報を集積し分析し、攻略計画を立てた。


あらゆる組織と連携し、情報を統合し、きわめて合理的に指揮をとり、動いた。

 

入念に練り上げた作戦計画を変更したのも、そのためだった。

 

ひるがえって日本軍は、どうだったか。

 

『4月3日以降、天皇が攻勢を望んでいるという大本営陸軍部からの電報をはじめ各方面から続々と同様の電報が届き、第32軍司令部は大いに動揺した。』

《新装版「沖縄戦 国土が戦場になったとき」(藤原彰 編著/青木書店) 75頁より》 

 

 

 

『この期に及んでの作戦変更に、八原は牛島に「全軍壊滅する」と攻勢反対の意見具申した。傍で長が鬼の形相で八原を睨み付ける。

「軍の死活に関する重大関頭に当たり、高級参謀の痛心苦悩はよくわかる。しかし、この度の決心は天の意志、神の声と思って、その実行に万全を期していただきたい」静かにそう諭した牛島は「攻勢に転ずる」と決め、関係各方面に協力を要請する電報を発信した。』(157-161頁)

《「沖縄に散った最後の陸軍大将 牛島満の生涯・魂還り魂還り皇国護らん」(将口泰浩/海竜社) 160-161頁より》

 

battle-of-okinawa.hatenablog.com

 

日本では、まさに「現人神」の意向を忖度したり、軍人のプライドを優先したり。


ゆえにに組織の中で満足に意思疎通もできず、まるでドタバタ喜劇をみるようなありさまで、

 

そのはざまで次々と奪われていったのは、住民の命であり、兵士の命。まさに現場では純然たる悲劇が展開されていた。

 

論理性でも合理性でもない。理屈抜きに「お上」からもたらされる、その命令は絶対であり、

 

その「令」の文字があらわすように、ひざまずいて拝聴すべきものだった。

 

ご覧ください。⇩

 

1945年4月3日『日米両軍の作戦変更』

neverforget1945.hatenablog.com