【和訳】 本部半島における降伏式に先立ち、ディヴェイン大尉(ヘルメットを着用、ノースカロライナ州出身)と話す通訳のブラウン中尉(ニュージャージー州出身)。大尉は第7海兵師団の諜報担当将校で、中尉とともに降伏式の準備にあたった。2人が話しているのは、日本軍の指揮官シライシ海軍大尉(東京出身)。彼は183人の海軍兵を擁する部隊を指揮しており、東京湾で降伏文書の調印が行われた翌日、第7海兵師団に降伏した。日本刀を持っているのがシライシ大尉で、この後、刀を引き渡した。
8月15日以降、米軍はビラを貼り、玉音放送などを聞かせるなどして、敗残兵に投降を促した。
昨日の9月2日、「内地」では正式に日本国は降伏したのだが、「外地」に配置された日本軍の投降、降伏は、まだまだ完了していない。
【和訳】 降伏式会場への移動前、古我地町の外れで海兵隊員の監視の下、軍刀、ライフル、ピストル、銃剣、弾薬などの武器を下ろす日本兵。中には非武装の兵隊もいた。私物や手洗い用具入りのかばんを持っている者は多かった。兵隊は列についていくのに小走りしなくてはならなかった。沖縄。
撮影日: 1945年 9月 3日
敗残兵は沖縄だけでなく、台湾、中国、朝鮮半島、フィリピンなどのアジア地域に点在していたからだ。
南西諸島に配置された第32軍が正式に投降するまで、あと4日。
その間も、小規模な日本軍部隊の投降は行われているが、その際は、わざわざ「降伏式」なるものを行なっていたようだ。
日本軍人が大切にしていた軍刀を米軍の代表に手渡すという、なんともシンボリックなもの。
写真を見ると、皆、整髪し軍服を着て綺麗な出で立ちだ。
投降式のために、米軍と打ち合わせを重ね、準備したことがうかがえる。
これまで、個人や数人単位で投降した日本兵や住民らは、泥まみれ、血まみれ、ウジ、シラミが皮膚につき、汗と垢、糞と尿の匂いが染み付いたままの身体で投降してきた。
しかし、沖縄戦最後の数日間は、米軍は日本兵のプライドを尊重する形での投降を、と配慮したようだ。
「私たちは愚かな戦争に加担しましたが、もうやめます」という儀式を、そんな愚かな軍人たちのプライドに配慮しながら日本兵の武装解除を進める米軍。
軍隊という組織は、どこの国のものであれ、軍人というプライドと儀式にこだわるという、
馬鹿げた集団だということがわかる。